調停が不成立に終わった後に審判があるって聞いたんですけど？

家庭裁判所の調停には、調停が不成立に終わった場合に、（１）そこで終了になるものと、（２）そのまま審判という制度に移行するものの２種類があります。
Q５．離婚調停で話が付かなかったらどうなるの？でも説明をした通り、離婚調停や円満調停の不成立後は、協議（話し合い）へ戻すか、訴訟かを選択してゆくことになります（殆どのケースは、訴訟にはならず、協議へ戻されるものが多いようです）。けれど、婚姻費用分担の調停、面会交流の調停、監護権者指定の調停などのように、不成立後には、審判へ移行し、そこで裁判官に決めてもらうことができる制度を持つものもあります。
そしてそこで決まったことには、裁判判決のように、強制執行力を持たせることができますので、たとえば相手方が婚姻費用を取り決めに従わないと、お給料を差し押さえることも出来てしまします（お金以外のことを決定する審判でも強制執行を掛けることができるものもあります。けれど、お金のように差し押さえができるわけではないですから、なかなか厳しいものもありはします）。

ただ、審判は訴訟ほどの厳格さで決まるわけではありませんので、審判で結論が下った後、２週間以内であれば、即時抗告という不服を申し立てることもできます。ただ、クライアントの方の様子を見ているかぎり、一度決定した事が覆ることはあまり無いように思います。審判といえども、審判官（裁判官）さんが決定をしたわけですし、法的基準に沿った判断になるわけですから、それを安易に覆していては審判の意味もなくなってしまいますので。

いずれにしても、調停の不成立後に審判の制度のあるものは、そこで決まるのでよいわけです。けれど困ってしまうのは、離婚・円満調停の方ですよね。話し合いのための場で折り合わなかったわけですから、その後にどんな方法で話し合っていけばよいかに悩むことになります。そこで一つの進め方としては、夫婦カウンセリングがあるわけです。そうは言っても、相手方が来てくれるわけが無いという思いもあると思います。けれど当事務所の場合には、その来てくれるはずが無い相手方のほうが、当職と話をした後に「夫婦カウンセリングで進めていきたい。そこでお互いの事を考えた進め方をしたい。」というケースが多い印象があります。驚きかもしれませんし、信じられないかもしれません。けれど、離婚でも修復でも、当職が結論を出すことはできませんが、ご夫婦が自ずと答えを出していける進め方はあるはずですので、それをお伝えしています。どんな風に切り出せばよいか等、色々と悩ましいところもあるかと思いますが、そこに関してはご相談をお寄せください。相手方は相手方なりに、今後どう進めていけばよいかが分からないものです。それはお互いに同じですから、進め方を見つけたいと思っているという点では、共通した悩みもあるわけです。